こんんちは wakimonです
以前にも「威圧的な患者」と題して投稿しましたが
第二弾を投稿させていただきます
第一弾はこちらっ!
⇒威圧的な患者対応 事例紹介 | 看護師三昧 (zanmai1102.com)
今回は、夜勤になると暴言を吐き
看護師の精神をボロボロにする
超スーパー威圧的、暴力的、モンスター患者への対応について
実際の事例を通して検証していきます
最近、高齢者や認知症患者も含め、威圧的、暴力的、暴言を吐く患者が目立ちます
医者には何を言われても「はい、わかりました」と素直に応じていても
夜勤に入り看護師だけの勤務帯になると
威圧的な態度をとり、暴言を吐き
医療行為を拒み、精神的に看護師を追い詰める・・・
このような患者が本当にいます!
この記事を読むと、威圧的な患者の早期退院を実現させたプロセスがわかります
ぜひ参考にしていただきたいと思います
それではいってみよ~🤩
患者紹介
88歳 男性(以下Aさん) 認知症との診断はないが、認知能力の低下はあり理解度は年相応
老人ホームに入所中 心不全で当院通院中
以前、当院で入院中 看護師への暴言、暴力にて
看護師数名が勤務できない程の精神的なダメージを与えたエピソードあり
今回は下肢の蜂窩織炎にて受診、心不全の悪化も認められ入院となる
しかし、前科があるため本人には暴言、暴力あれば即退院と家族を含めて説明
短期間の入院を約束し入院の運びとなる
このような患者でした
結局は8日間の入院となり看護師との壮絶な戦いとなりました
結論
退院の期日を明確にし、退院日に向けて対策をねり
看護師一丸となってモンスター患者に立ち向かう。
看護師の精神的苦痛を記録に残し、主治医以外の医師やケースワーカーを巻き込み
早期退院へと導く
モンスター患者は突然あらわる
モンスター患者Aさんは夕方、突然入院してきました
両足の蜂窩織炎で包帯グルグル巻きの状態でした
心不全改善のための点滴もしていました
Aさんは、しんどそうにベッドに横たわっていました
「ポータブルトイレを横においてほしい」と言われましたが
足はパンパンに腫れあがり歩行もできません。
看護師が「一人でポータブルトイレに移ることはできそうにないので
手伝いますからナースコール鳴らしてください」と言いました
するとAさんは「なんでいう事聞かんのじゃ、差別しているのか!」と
大声を出し威嚇してきました。
「ポータブルトイレをおけ!」と大声を上げまくりました
師長やほかの看護師と相談し、ベッドの横にセンサーマットを引き
ポータブルトイレを置くことにしたのですが
30分後にセンサーマットが鳴り駆けつけると
転倒していました
Aさんは「ポータブルトイレに移ろうとしてこけた
こんなところにおくからだ!」と怒りをぶちまけていました
さらに危険行動への対策をとりセンサーベッドも導入しました
看護師一同、これからどうなるのか不安で仕方ありませんでした
そして、対応するときは看護師2人で対応する
すべての暴言、行動を記録に残す
夜間に対応困難になった場合は主治医に連絡する
これらのことを統一し
モンスター患者との戦いの日々が始まりました😤
夜勤で最強モンスターに変化
次に日、夜勤さんは疲れ果てていました😣
申し送りを聞くと「本当に、本当にお疲れさまでした」と
いうしかないくらいのレベルの暴力、暴言行動がありました
それは・・・
①点滴を自己抜針し血まみれになっている状態を発見
②「俺に近ずくな」と点滴の再挿入も拒み、コップや携帯を投げつける
③何とか点滴を再挿入するが点滴を引きちぎり再び血まみれ状態
④「俺を差別するのか!人権問題やぞ お前の名前を言え!訴える!」
このような所業でありました。
夜勤さんは「もう、無理!」と疲れ果てて帰っていきました
主治医と師長と看護師でのカンファレンスをひらき
治療拒否の状態であること、看護師の精神状態に限度があることを
主治医に訴えました
しかし、主治医は「まだ退院できない、説得するからお願いします」と
Aさんと長々と説得をしていました
主治医は「Aさんはしんどくて暴言を吐いたと思う
治療拒否はされておらず治療には納得されている」と
看護師に言いました
主治医の先生は穏やかでwakimonとも気さくに話してくれる先生です
でも・・・・
wakimonは「先生、本当に入院を継続するの?
点滴を引きちぎり、治療拒否をしている患者なんて強制退院でしょ!」
心の中で叫びました!
では、「せめて家族の付き添いをお願いしたい」と言いましたが
その願いも叶いませんでした😫
wakimonはその日リーダーでした
主治医とは普段よりコミュニケーションはとれていたので
「短期間の入院って何日間ですか?退院の日にちを教えてください!」
と言いました
すると主治医は「来週の○日の退院を目指します」と言いました
wakimonは「わかりました あと○日ですね。絶対にその日に退院させてください」と
心の中は「退院させてくれ!」という気持ちで
いっぱいでしたが冷静に対処しました🤨
破られた約束
いよいよ、約束の入院期間があと2日となり
看護師もあと少しと歯を食いしばって頑張っています
Aさんは夜間に暴言、暴力行為があり
日中はウトウトしていることが多く
リハビリオーダーを出してもらい
日中の覚醒を促しましたが
リハビリは断固として拒否の状態でした
夜勤帯の暴言、治療拒否は毎日続いており
看護師のストレスはMAXになりつつありました
そんな時主治医が「この足ではまだ退院できない」といってきたのです
wakimonは「どうゆう事ですか?看護師はもう限界です!
どんな気持ちで夜勤をしているかご存じですか!」と主治医に問いました
しかし、主治医は「この足では返せない」と言うばかり・・・
看護師たちは退院日が不透明になったことに意気消沈です⤵
wakimonは「もう、主治医だけに退院を打診してもダメだ」と思いました
どうしたら退院できるのか!みんなで考えました
暴言、治療拒否をする患者に対して
どのように対処していいのかもわからないくらい
看護師は疲弊していました
一人の看護師が「皮膚科に見てもらいませんか?」と言いました
主治医は下肢の蜂窩織炎を気にしているのです
「もう主治医だけに頼っていては早期退院は無理です」
「主治医以外のコメディカルも巻き込んでみてはどうか?」
など意見が出ました。
ケースワーカーにも連絡し退院指示は
出ていないが施設への退院の調整を始めてほしいと伝えました
主治医に皮膚科に見てもらうことを打診し
診察していただくことになりました
皮膚科の先生に、暴言、暴力に看護師が疲弊している事
退院の日取りが決まらない事を切実に話しました
皮膚科の先生は「この足はどこで処置をしても一緒です
施設の看護師で十分に対応できます。帰ってもらってもいい状態です」と
キッパリと答えてくれました😮
それを、主治医に伝えると
「皮膚科の先生がそう言われるのであれば
心不全も改善してきたし退院していただきましょうか
しかし退院前には退院前カンファレンスを開いてください」と言いました
wakimonはすぐに当院のケースワーカーに連絡し
翌日に施設職員や施設ケアマネ、施設看護師とのカンファレンスを
開催することにしました。
出来れば、当日のカンファレンスの後に退院させてほしいと懇願しましたが
退院はカンファレンスの翌日となりました
約束の退院日より2日経過していました
でも、退院は決まりました🤣🤣🤣
最後の夜勤の看護師には「最後だから!」と
日勤の看護師一同でエールを送りました
モンスター患者の退院
モンスター患者の最後の夜勤は壮絶そのものでした
朝、Aさんのベッドサイドに行くと
ベッドの周囲は血だらけ、寝衣も血だらけ
まるでドラマで見る殺人現場みたいでした
何があったのかと夜勤看護師に聞くと
点滴を自己抜針し血まみれになっているところを
発見したが止血さしてくれず
当直の医師、看護師3人かかりで対応し、何とか止血したが
「俺を殺すために来たんやろ!」と大声で叫び
着替えもさせてもらえなかったと言いました
最後の最後まで本当にお疲れさまでした
この一言に尽きました
退院時間の30分前に家族が到着
家族は「すいませんでした」と涼しい顔で一言・・・
wakimonは「それだけか、もっと他にいうことないんか!
さんざん迷惑かけて、呼んでも来ない
ふざけんなよ!看護師をなんやと思ってるのか!」と
強い憤りを感じましたが
看護師人生30年の意地を見せグッと我慢し
「お大事に」とにこやかに送り出しました
退院した時には「戦いはおわった・・・」
看護師一同、こころから安堵しました
まとめ
今回の患者さんはwakimonの看護師経験の中でも
最強に威圧的なモンスター患者でした
高齢であり認知能力も低下しているとしても
暴言、暴力は許されるものではありません
Aさんは「人権、人権」と言われていましたが
看護師にも人権はあります
血の通った生身の人間です 感情もあります!
鬼滅の刃の鬼ではありません!
モンスター患者はいたるところに出没します
それも突然・・・
主治医は患者のことを思い入院させたと思います
しかし、看護師の精神的苦痛のことまでは考えてはいません
モンスター患者が入院してきたら
迅速に対応する必要性があります
看護師が疲弊しないうちに手を打たないと
モンスターに食われてしまいます
迅速にコメディカルを巻き込み
主治医以外の医師にも協力を仰ぐことも必要です
wakimonの病棟には認知症患者さんが
ひっきりなしに入院してきます
いつモンスター患者に変身しても
おかしくない患者ばかりです
患者さんの生活背景、認知症のレベル
家族に協力を求められるのか
入院期間が明確なのか
しっかりと確認し、看護師間での情報共有を密にし
患者の対応に活かしていかなければならないと確信しています
皆さんもモンスター患者に出会う事があるかもしれません
今回の事例が少しでも役にたてばうれしいです
ここまで読んでいただきありがとうございました
何かコメントしていただけると嬉しいです
おわり
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